坐禅について調べていると、「坐禅」と「座禅」のどちらの表記もあるが、違いはなんだろう?
結局正しいのはどちらだろう?と感じた人も多いのではないでしょうか。
この記事では、違いや、二つの表記が存在する理由を解説します。
坐禅と座禅の違いは?正式な表記は「坐禅」
坐禅と座禅は、漢字の表記の違いによるものであり、実際の意味や用法に大きな違いはありません。
どちらも仏教の修行法である坐禅(座禅)を指します。
しかし仏教的文脈において正しい表記は「坐禅」です。
ただ現在は「坐」が常用漢字から外れているため、「坐」の代わりに「座」を使用するようになりました。
そのため表記が「座禅」であっても日本語として間違いではないと言えるでしょう。
なぜ表記が混同しているの?
仏教にまつわる書籍やインターネットサイトでは、本来の表記である「坐禅」を使用します。
寺院のホームページや、禅宗僧侶の方が執筆する記事などでは「坐禅」の表記をしていることがほとんどでしょう。
しかし、一般的に漢字としては「坐」よりも「座」が慣習的に使われています。
また日本語として「座禅」も間違いでないことから、仏教から少し離れた記事(旅行サイトなど)では、「座禅」を使用されることが多いです。
そのため、「坐禅」「座禅」どちらの表記も混同されているように見えるのです。
「坐」と「座」|漢字の意味
「坐」と「座」は、いずれも座ることを表す漢字ですが、微妙な違いがあります。
それぞれの漢字の意味について解説します。
「坐」とは
「坐」は、土の上に人が座っている形で構成されており、基本的には「すわるという行為そのもの」を意味します。
「坐る」とはあくまで動作のことを指します。
現在は、「坐」は常用漢字から外れており、代わりに「座」を用いるようになっています。
常用漢字とは
一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安のこと。参照:Wikipedia
「座」とは
「座」は、「广」(を意味する)の中に「人」が座っている形で構成されています。
つまりは、「すわる場所」を意味しています。
いずれも「すわる」という意味ですが、行為・場所という違いがあります。
ただし、「坐」は常用漢字から外れているため、現在は「座」に「すわる行為・場所」どちらの意味も含まれています。
まとめ:本来は「坐禅」だが、今は「座禅」も正しい表記
「坐禅」は元々、坐禅を表す正式な表記です。
しかし、現代の日本においては「座禅」の表記も一般的に広く使われるようになっています。
これは「坐」が常用漢字から外れ、「座」に意味も表記も統一がされているためです。
「禅」が世界中で注目され、さまざまなメディアが坐禅を「座禅」と表記することも少なくないですが、あくまで「坐禅」が本来の表記とされていることは知っておくと良いでしょう。
しかし、言語も文化や時代によって適用される表現方法は変化していきます。
現代の日本においては、「座禅」の表記が一般的で理解されやすく、広く使われていることから、両方の表記が混同されていると理解しましょう。
坐禅において何より重要なのは、坐禅を実践することです。
漢字表記の違いよりも坐禅への取り組み、禅の考えを学ぶことが、自身の健康にとっても良い影響を与えるでしょう。
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