座禅は、古くから伝わる仏教(禅宗)の瞑想法であり、ストレス解消や集中力向上など、心身の健康に大きなメリットがあることから、近年座禅を始める人が増えています。
しかし、初心者の方の中には「座禅を始めたいけど、どうやって始めればいいの?」と悩んでいる方も多いと思います。
そこでこの記事では、座禅の効果やメリット、始め方や道具、やり方やマナーなど、初心者がまず知るべき基礎知識を10項目に分けてわかりやすく解説します。
この記事を座禅の入門ガイドとして活用していただき、ぜひ座禅にチャレンジしてみてください。
座禅とは
座禅とは、心を鎮めて自分と向き合う仏教の修行法の一つであり、禅宗では座禅を最も重要な修行と位置付けています。
座禅をするときは、坐蒲に座って足を組み、手は法界定印という形を作ります。呼吸はゆっくりと深くし、心の中にある雑念や感情を捨てていきます。
座禅の最大のポイントは、「調身・調息・調心」であり、姿勢・呼吸・心を調えて座ることで、ストレス解消や睡眠の質の向上など心身の健康にも大きなメリットがあると言われています。
このパートでは、座禅の意味、歴史および目的について解説します。
座禅の意味
「座禅」は本来「坐禅」と表記されていました。
(当サイトはわかりやすさを重視し、常用漢字である「座」を使用しています。)
それぞれの漢字の意味がこちらです。
坐:すわる。特にすわる「動作」についての意味合いが強い。
禅:精神統一の部分に特化した仏教「禅宗」の思想、修行を指す。
「坐禅」は「すわって禅を行う」ということを表しています。
ちなみに坐禅と座禅の違いについては、「坐禅と座禅の違いは?正しい表記はどちらなのか|禅の専門家が解説」で詳しく解説しています。
座禅の歴史
禅の歴史は古く、数千年前から禅の思想があったといわれています。
6世紀初め、禅宗の開祖とされるインドの僧・菩提達磨によりインドから中国へ広がり、その後日本にも伝わりました。
日本では、特に鎌倉時代(1192~)以降に社会的に広まっていきます。
鎌倉〜室町時代にかけて盛んになった禅宗は、日本各地に禅宗の寺(禅寺)が建てられるなど、日本仏教の一つとして定着するようになりました。
禅の三大宗派がこちらです。
禅宗の三大宗派
- 曹洞宗
…宗祖は道元。
座禅の目的は「只管打坐」といい、”ただひたすらに坐禅をすること”が目的と唱えています。
壁に向いて坐禅を行います。 - 臨済宗
…宗祖は栄西。
あらゆる束縛から解放された真の解脱こそ禅のあるべき姿、つまり”悟りの境地”を得ることが目的と唱えています。
壁を背にして坐禅を行います。 - 黄檗宗
…宗祖は隠元隆琦。
元は臨済宗の流れをくみ、坐禅と念仏を併用して独特の宗派を作りました。
三大宗派の中でも代表的なのは曹洞宗と臨済宗では、座禅方法に少し違いがありますが、根本的な考え方はほとんど同じですので、初心者の方は宗派にこだわらず、まずは行ってみたいお寺で座禅体験をすると良いでしょう。
座禅の目的
座禅の目的は、禅宗の宗派(思想)によっても少し異なりますが、大きくは「自分の本性を知る」「利己的な考えを捨てる」ことです。
座禅にはストレス軽減をはじめ、心と体に良い効果がたくさんありますが、何かを考えることも、心を無にすることもなく、ただただ黙って座ることが座禅の本来の目的です。
こう聞くと難しそうに感じますが、一般的に座禅体験などでは、自分の心を落ち着かせるために参加している方も多いです。
難しいことは考えず、まず座ってみる、ということが大切です。
座禅の効果
座禅にはどんな効果があるのでしょうか?
座禅の効果としても最も知られているのが、自律神経の調整機能です。
自律神経系とは、体の様々な機能を自動的に調整する神経系のことであり、「アクセルのように活動性を高める交感神経」と「ブレーキのように活動性を落ち着かせる副交感神経」の二つから構成されています。
自律神経が乱れると、よく眠れない、イライラする、やる気が出ない…などの症状が現れますが、座禅を行うことで、交感神経と副交感神経のバランスが整い、それらの症状を改善する効果が期待できます。
座禅の代表的な効果
座禅をすることで得られる代表的な効果がこちらです。
- ストレスの軽減
- 集中力・記憶力の向上
- 仕事の効率アップ
- 前向きな気持ちになる
- 睡眠の質が上がる
- ストレス性の下痢・便秘が改善
- 姿勢が良くなる
- 首・肩こりや腰痛などの軽減
これらの効果については科学的にも実証されていて、京都大学の論文でも「禅的呼吸法によるストレス低減効果」でその効果について触れられています。
座禅の効果についてもっと詳しく知りたい方は、「座禅の効果とは?8つのメリットと心が整うメカニズムを解説」や「座禅の効果は本当か?経験者52名にアンケートを実施」の記事ご覧ください。
座禅のメリット・デメリット
座禅に良い効果があることは紹介しましたが、デメリットはないのでしょうか?
メリット・デメリットについても紹介しておきます。
- 誰にでもできる
- 場所を選ばすできる
- 必要な道具がほとんどない
座禅はどこでも、誰でもできるのが大きなメリットです。
難しいとされる正しい足の組み方は、今やイス座禅が広められているくらいなので、自分ができる方法で行えばいいのです。
イス座禅については、「座禅は椅子に座りながらでもOK?椅子座禅のやり方とコツ・注意点を解説」で解説しています。
また独学で学ぶのが難しい禅ですが、禅の考えには答えがないからこそ、日々のストレスや不安を自分で対処できるようになったり、深い思考力を身につけることができます。
なので初心者の方は、まず気軽に参加できる座禅体験で、座禅の姿勢や禅について学ぶのがおすすめです。
座禅の準備|心構えと必要な道具
座禅を始める前の準備として、知っておくべき心構えと必要な道具をおさえておきましょう。
座禅には特別な道具は必要ありませんが、いくつか揃えることで座禅を続けやすくなります。
座禅にする前に知っておくべき心構え
座禅のときには何も考えようとしないことが大切です。
と言っても私たちは何か考えてしまうので、自分の姿勢や呼吸が正しいかだけを気にして座ることをまず意識します。
考える状態が消えている状態のことを、「非思量」と言い、非思量の状態を維持することで結果的に座禅の効果を感じることができます。
座禅に必要な道具とその選び方
必要な道具はほとんどありませんが、用意するといいものがこちらです。
- 坐蒲または座布団
- 線香、線香立て
坐蒲または座布団
坐蒲とは、座禅をするための座布団・クッションのことです。
正しい姿勢を作るためにも、坐蒲または座布団は必ず用意するようにしましょう。
坐蒲は曹洞宗では円形、臨済宗では長方形状のものが使用されます。
固めの座布団などでも代用可能ですが、特に坐蒲は、床に直に座るより姿勢の取りやすさが断然違います。
線香・線香立て
また線香は、座禅の時間経過を測るために使います。
タイマーや時計を見ながら座禅をすると、時間を気にして集中が途切れてしまいますが、線香であれば座禅に没頭することができ、また線香の香りにはリラックス効果もあります。
必要な道具についてもっと詳しく知りたい方には、「座禅に必要な道具とは?初心者がまず揃えるべきおすすめグッズを紹介|座布団・坐蒲・線香」の記事も参考にしてみてくださいね。
座禅に適した服装
座禅を行うときの服装は、和装・洋装どちらでも構いません。
- 座禅をリラックスして行えるような、ゆったりとした服装
→和装なら作務衣、洋装ならゆとりのあるパンツやロングスカート
ジャージなどでもOK。
- 血流が悪くなるような締め付ける服装
→スーツ、ジーパン、タイトスカートなど - 派手、露出が多い服装
→色や柄は目立たないもの、ミニスカートなど露出は避ける
また座禅は裸足で行いますので、ストッキングや靴下は脱いで行います。
なお、座禅の服装について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
座禅を行う場所
そして座禅は、静かで落ち着いた場所で行いましょう。特に座禅に慣れていない初心者の場合は、周囲の騒音や刺激がなく、集中しやすい環境が必要です。
また、気温も暑すぎず寒すぎない環境を選ぶようにしましょう。辛い環境で無理や我慢をして体調を崩しては本末転倒。集中できる空間を選びましょう。
また自宅で行うのが難しい場合には、座禅体験に行ってみるのもおすすめです。
座禅の基本のやり方(組み方)
座禅の基本的なやり方については、宗派によって作法が多少異なりますが、一般的な方法を紹介します。
座禅は次の3つの要素で構成されています。
- 調身
- 調息
- 調心
「調身」で姿勢、「調息」で呼吸、「調心」で心を整える、この3つの要素が整うことで座禅が成り立っています。
座禅のやり方についても、調身→調息→調心の順で説明していきます。
座禅のやり方
「結跏趺坐」または「半跏趺坐」という方法で座ります。
結跏趺坐は最も姿勢が安定し、座禅では基本の座り方といわれています。
結跏趺坐の方法
- 坐蒲の上にお尻を乗せ、あぐらをかく。
- 右足を左足の腿(もも)の上に乗せる。
- 同様に左足を右の腿の上に乗せる。
- 両ひざは地面につけ、足の裏は天井に向ける。
- からだの重心は、お尻と両ひざの3点で支えるように意識します。
坐蒲…座禅専用の丸いクッションのこと。なければ座布団で代用
この姿勢は最も脊椎に負担がかからず、人が本来座りやすい形で、誰もができる座り方です。
しかし悪い姿勢が身についてしまった人や、体が柔らかくない方にとっては結跏趺坐での座り方が難しいことも多いです。
そのときは結跏趺坐より簡単な「半跏趺坐」を試しましょう。
半跏趺坐の方法
- 坐蒲の上にお尻を乗せ、あぐらをかく。
- 左右どちらかの足を、反対の腿(もも)またはふくらはぎの上に乗せる。
- 両ひざは地面につけ、上げた方の足の裏は天井に向ける。
- このときもからだの重心は、お尻と両ひざの3点で支えるように意識します。
両ひざを地面につけるには、乗せていない足をしっかりと内側に曲げます。
どちらも正式な座法ですが、半跏趺坐から始め、慣れれば結跏趺坐で座ると良いでしょう。
できれば最低半跏趺坐が良いですが、どちらの座り方も難しい場合には、正座やあぐら、椅子を使っても構いません。
長い時間正しい姿勢を安定させ、心をリラックスして座禅を行うことが重要です。
安定した姿勢をとる3つのコツ
- 左右揺振
身体を大きく左右に揺らし、揺らす幅を徐々に小さくしながら身体の中心軸を決めること - 必ず坐蒲または座布団を使う
坐蒲でお尻を高くすることで、両ひざが地面につき姿勢が安定します - お尻と両ひざの3点でしっかりと体を支える
また座禅中の手は法界定印という形で手を組みます。
手の組み方(法界定印)
- 右の手のひらを上向きにする。
- 右手の指の上に左手の指を重ねる。
- 組んだ手を足の上に乗せる。
- 両手の親指の先をつけ、親指と手のひらで卵形をつくるようにする。
手の組み方が気になって座禅に集中できない、という場合には「叉手(しゃしゅ)」でも良いでしょう。
叉手は右手の4本指を左手で優しく包みこみ、肩の力を抜いて両手を足の上に置きます。
慣れてくれば法界定印の形で手を組むようにしましょう。
なお、座禅の組み方について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください↓
姿勢が調ったら、次に呼吸を意識します。
座禅では意識せずに自然な呼吸を行なってよいのですが、余計なことを考えないように息を数えて心を落ち着かせる方法をとります。
これを「数息観(すそくかん)」といいます。
数息観のやり方
- 口は軽く閉じ、鼻で呼吸をする。
- 「ひとつ」「ふたつ」と頭の中で数えるのに合わせ、呼吸をする。
例:「ひとー」で鼻から息を吸い、「つー」で息を吐く。 - 十まで数えたらまた一に戻り、これをくり返す。
呼吸を整えることが、次の調心につながっていきます。
浅い呼吸だと心が落ち着かず座禅にも集中できません。ゆっくりと体の中の空気を入れ替えるように呼吸をしていきましょう。
数息観について詳しく知りたい方は、「数息観とは?実践方法から効果や継続のコツまでわかりやすく解説」の記事を参考にしてください↓
「雑念を捨てよう」「心を落ち着かせよう」と思うとかえって色んなことを考えてしまうもの。
何も考えないというよりも、呼吸に心を集中します。
それでもじっと座っていると、雑念が湧いてきますが気にしないこと。
また呼吸に意識を戻すことを繰り返しましょう。
- 目は半眼(はんがん)
→視線は1m先の床を見る。
顔はまっすぐのままうつむかず、視線だけを落とすと自然と半眼に。
座禅中に目を閉じると、かえって雑念が湧きやすくなったり、眠くなってしまいます。
目は斜め前の床を自然に見るように視線を落とすようにします。
座禅と時間
座禅をする時間帯や、長さについても簡単に解説します。
結論から言うと、座禅は朝または夜に、まずは10分間の座禅を毎日行うのが良いでしょう。
座禅をする時間帯
まず座禅をする時間帯は、基本的に朝または夜がおすすめです。
- 朝
起きた直後は心身ともにスッキリとしており、早朝の澄んだ空気も感じられ集中しやすい。 - 夜
就寝前の時間帯に行うとストレスや緊張がほぐれ、その後の睡眠の質も上がりやすい。
しかし朝と夜以外に行ってももちろん問題はありません。
自分にとって都合の良い時間帯を見つけて、継続的に行うことが大切です。
座禅をする時間の長さ
一般的に寺の禅堂や道場では、1回あたり40分程度の座禅を行います。
線香1本が燃え尽きる時間(40〜50分)を「1炷(いっちゅう)」と数え、これが座禅時間の単位とされています。
しかしはじめたばかりの方は10〜15分程度の短時間から始めると良いでしょう。
座禅は長時間行えばいいというものではありません。
特に初心者の方がいきなり長時間の座禅を行うと、姿勢に慣れず足腰に痛みが出たりしてしまいます。
まずは10分から始めて、慣れてきたら徐々に時間を延ばしていくと良いです。
座禅と時間についてより詳しく知りたい方は、「1日10分の座禅で効率よく効果を得る方法!継続するコツも解説」の記事も参考にしてみてください。
座禅をする時間の測り方
座禅中に時計を確認していると、集中が途切れてしまいます。
座禅体験では時間の区切りを教えてくれますが、自宅でやる場合にはスマートフォンアプリなどを活用するのも良いでしょう。
「禅音」というアプリには座禅タイマーの機能があるので活用してみてください。
座禅の続け方
座禅は、毎日続けることが大切です。
1回10分の座禅でも気分がスッキリする効果を感じられますが、毎日続けていくことでより効果の質が高まっていくでしょう。
習慣化するには、まずは短い時間から始めて、座禅をするタイミングを決めること。
そうすることで歯磨きのように毎日の習慣の一つとして継続できます。
座禅を習慣化する方法については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
座禅体験
座禅体験とは、全国各地のお寺や施設で行われている座禅体験会のこと。座禅会などとも呼ばれます。
座禅体験は、事前に座禅の説明を聞いたあと、1回15分の座禅を2回行うなど、座禅が初めての方でも参加しやすい内容になっています。
また参加費用も無料〜2,000円程度と手頃なのも魅力。
座禅体験に参加するメリット・デメリットがこちらです。
- 正しい座禅の姿勢を学べる
- 禅の考え方を学べる
- 座禅の不安や疑問が解消される
- お寺の静かな空間でリフレッシュできる
- 人と一緒に参加することで座禅がしやすくなる
- 観光や旅行先でも参加できる
座禅体験の魅力は多くありますが、一番の魅力はなんといっても正師(しょうし)から正しい座禅を実際に対面で教えてもらえることです。
特に初めて座禅をするときは、正しい姿勢や座禅中の心の落ち着け方など、わからないことがたくさんありますよね。
独学で間違った方法を続けていると、かえって足が痛くなったり、不安が増えてしまうことも。
そういった不安や疑問を解消して座禅をすることができるので、座禅が気になる方はまずは座禅体験に行ってみることをおすすめします。
座禅体験についてもっと知りたい方は、「初心者でも安心!座禅体験の基本とマナー|おすすめの寺院も紹介」の記事も参考にしてください。
座禅で知っておくべきマナー・注意点
座禅は誰でも、どこででも気軽にできるものですが、マナーや注意点についても気になりますよね。
特に座禅が初めての方は、以下のポイントに注意するようにしましょう。
- 私語は禁止
- 大きな音を立てない
- 露出の多い服装は避ける
- 派手な色・柄の服は避ける
- 時計・アクセサリーなどの装飾品を外す
- スマートフォンの電源はオフに
- 空腹・満腹時は避ける
自宅で座禅をする際には、服装はゆったりとしたものであれば色や柄など気にすることはありません。
しかし座禅体験では他の方と一緒に座るため、集中を妨げないような配慮が必要です。
また空腹すぎると集中できなくなりますし、満腹だと眠気が襲ってきてしまうので、食事の時間にも注意すると良いでしょう。
座禅体験に参加する際も、上記の点には注意して参加するようにしましょう。
自宅で座禅を行う
少しリフレッシュしたいな、ぐっすり寝れるように頭をすっきりさせたいな、というときのためにも、自宅で座禅ができるといいですよね。
そして座禅は続けることでより効果が大きく現れてきます。
座禅体験に行ったら、自宅でも座禅を続けていきましょう。
自宅で座禅をする方法
足の組み方など座禅の作法は、この記事の「座禅のやり方」部分で紹介した方法と同じです。
自宅でやる場合のポイントがこちらです。
- 静かな場所を選ぶ
…誰もいない部屋や、心が落ち着く場所 - 快適な気温で行う
…暑すぎる、寒すぎると集中できず体調も崩してしまう - 坐蒲・座布団を用意する
…坐蒲は座禅唯一の必需品。正しい姿勢を作る。椅子を使っても良い。
時間もまずは10分からはじめ、慣れれば徐々に長くしていきましょう。
朝起きたあとに坐れば、頭もすっきりして1日を気分良く過ごしやすく、夜眠る前に行えば、副交感神経が優位になり、ぐっすり眠りにつきやすくなります。
禅の教えを日々の暮らしに取り入れる方法
また座禅以外にも、禅の教えを日常に取り入れる方法があります。
忙しい毎日の中で少しでもゆっくりと「今」に向き合う時間を作ってみると、心が穏やかになったり、心地よい時間を過ごすことができます。
ここでいくつかご紹介します。
- 食事中は食べることに専念する
…ながら食べをやめて、食事をひと口ずつ味わいましょう。
食事を楽しむことで心が満たされますし、一つの動作に集中することは自律神経も整います。 - 深呼吸をする
…普段意識していないと、呼吸は浅くなってしまいがち。
深呼吸をすると自律神経を整え、気持ちが落ち着いてきます。 - 香りを楽しむ
…香りには心理的効果が強いといわれています。
集中力を高めたり、リラックス効果をもたらすものも。
アロマやお香で部屋の香りを変えてみてもいいですし、コーヒーやパンの焼ける匂いなど、日常にある香りを楽しんでみてください。
私たちは日々の忙しさに追われ、またメディアやインターネットを見れば一日中ネガティブな情報があふれています。
その結果、私たちの脳と心はほとんど休む暇がありません。
だからこそ、1日の中で脳と心を空っぽにしてリセットする時間を作ることは、私たちにとって大切なことです。
普段の生活に禅を取り入れることはとてもおすすめなので、ぜひ座禅と一緒に試してみてくださいね。
座禅でよくある質問
座禅を始めるにあたり、気になるポイントについてまとめました。
座禅中はお坊さんに棒で叩かれる?
座禅中、集中が途切れてしまうとお坊さんにバシーッと叩かれる、といった印象がある方もいますが、基本的に叩かれることはありません。
座禅体験では希望する方のみ、僧侶の方が「警策(きょうさく・けいさく)」で喝を入れてくれます。
また警策を使用していないお寺もあります。
しかし集中が切れそうになったり、眠たくなったときには警策(けいさく、きょうさく)をいただくと、気持ちも新たに集中することができます。
警策の受け方などさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
座禅中は何を考えるの?
座禅中は「何も考えず頭を空っぽにする」ことが基本ですが、何も考えないというのはとても難しいことです。
ですので、まずは座禅中息を数えることや、姿勢が正しいかに意識を集中させます。
何か頭に浮かんでも、浮かぶたびに意識を呼吸や姿勢に戻してくことを繰り返しましょう。
禅で大切なのは「今」に集中することです。
座禅で足を組むと痛い!足が組めない場合はどうしたらいい?
本来座禅は「結跏趺坐(けっかふざ)」が最も姿勢が安定させやすく、長時間坐るのにも適しています。
しかし初心者の方や身体の固い方が結跏趺坐をやると、足などに痛みが出ることも多いです。
結跏趺坐ができない場合には、「半跏趺坐(はんかふざ)」を試してみましょう。
座禅前に少しストレッチをすると、足が組みやすくなります。
ただ怪我など不調がある中で無理に座禅を行うのはよくありません。
今は座禅体験の中にも、椅子に座って行う「椅子座禅」の座禅体験をしているところもありますし、体調に合わせて、自分ができる足の組み方で行うのが良いでしょう。
座禅では目を閉じる?閉じない?
座禅中、目はうっすらと半開きにする「半眼(はんがん)」で行います。
半眼は、「半分は外の世界を見て、半分は自分の内側へ意識を向けましょう」という意味です。
目を見開きすぎると周りの景色やモノが目に入りすぎてしまいますし、反対に目を閉じると自分自身の内側に目がいきすぎてしまい、かえって色々なことを考えてしまいます。
また目を閉じると眠くなってしまったり、姿勢のバランスも取りづらくなってしまいます。
座禅をするにあたり、半眼が最も集中しやすいといわれています。
まとめ
座禅は、単に静かに座るだけではなく、誰でもできる自分の心に向き合う、自分を見つめ直す機会でもあります。
座禅をすることで、ストレス解消や睡眠の質の向上など、心身に嬉しい効果を得ることもできます。
座禅には正しい姿勢や呼吸法、作法などがありますが、初心者でも簡単に始められます。
この記事を参考にして、ぜひ座禅を始めてみてください。